35歳は、転職活動で採用されにくくなるボーダーラインだといわれています。
しかし現在は終身雇用制度を行う企業の減少と共に「働き方の多様性」が広がっており、日本でも誰もが転職を当たり前にしている時代です。
30代は結婚・出産を経て家庭を持っている方が多い年代です。また独身の方も、自分の将来や働き方について真剣に考え始める年代です。
新卒や10代・20代の若年層と違い、働き方について真剣に考えているからこそ、例え厳しくとも転職によるキャリアアップ・収入アップを狙って転職したいと考えている方は非常に多いでしょう。
今記事では、転職が厳しくなるといわれる35歳以上の方でも、長期間安定して働ける企業に転職する為に実践すべき5つのテクニックをご紹介します。
何故「35歳以上」になると転職が厳しくなるのか?
一般的に、35歳以上の年齢になると転職が厳しくなるといわれています。
これは正社員だけで無く契約社員や派遣社員等の雇用形態、さらに現在は非正規雇用でも当てはまります。
何故35歳以上になると、正規・非正規関係なく転職で企業に採用されにくくなるのでしょうか?
理由として下記の3点が挙げられます。
- 高い業務レベルを求められるから
- 企業側の融通が効かなくなるから
- 将来的な伸びしろを期待されていないから
それぞれの理由について、下記にて詳しくご説明します。
(理由1)高い業務レベルを求められるから
4年制大学を卒業後、新卒社員として社会で働き始める一般的な年齢は「22歳」です。
35歳は、社会人として働き始めてから13年目になる年齢です。
社会人として10年以上経過している為、一般的に給与が新卒採用よりも高い水準になります。
採用する企業は給料面の抑え込みが出来なくなる為、企業は給料に見合う実績を転職者に求めてきます。
- 一定以上の年月での業務経験
- 資格所有者(日商簿記2級以上/TOEIC○○点以上 等)
- 免許所有者(普通自動車運転免許 等)
- パソコンスキル(Excel・Power Point 等)
- マネージャーや中間管理職業務経験
上記のような文言が、中途採用での応募条件に良く書かれています。
企業は高い給料を払う代わりに、若手と違って研修等の手間を省きます。手間を省いた上で更に企業は、入社して直ぐに業務が出来る「即戦力」を求めてきます。
企業が給料を若手よりも高くする代わりに高い実力を当たり前に求めてくる為、会社への利益やメリットに繋がる実績を提示出来ない限り、採用に繋げる事は厳しいといえるでしょう。
(理由2)企業側の融通が効かなくなるから
35歳以上の人は、一般的に家庭を持っている人が多いです。
子持ちの場合、30代は子供に対して手が非常に掛かる時期でもあります。特に女性の場合は子供の病気等を理由に早退・欠勤が起きる可能性が高くなりがちです。
10代・20代の若手の場合は未だ家庭を持っていない人が多数になる為、残業や休日出勤・出張や転勤等といった企業側の融通に殆どの人が対応出来ます。
対して家庭を持っている人、特に子持ちの家庭を持つ人の場合は企業の融通が殆ど効かなくなります。
独身の場合でも35歳以上の人は、親の介護による業務支障も起きやすくなります。
親も年齢が若い新卒社員と異なり家庭が企業や業務よりも優先になる為、企業は30代以上は「融通が効かない人材」だと認識しており、採用を渋りがちになってしまうといえるでしょう。
(理由3)将来的な伸びしろを期待されていないから
35歳以上になる人は、他の企業で働いていた業務経験者が殆どです。
新卒社員のように「社会に染まっていない真っ新」な状態では無く、これまで働いてきた企業のやり方や社風に染まっている場合が多いです。
故に転職希望に対して企業は「この会社をより良くしたい」「自分が良い会社に育てていこう」という新卒者のようなポテンシャルは求めておらず、社風に染めた上での将来的な伸びしろを期待しません。
伸びしろを期待しない代わりに企業が転職者に求めるものは、会社に直接貢献する「即戦力」です。
戦力になる高いスキルと実績を求めてくる為、未経験の業種への転職を考えている人や実績・スキルの乏しい人は、若手よりも採用を勝ち取るのは非常に厳しいと考えて良いでしょう。
35歳以上の転職希望者が備えておくべきものは?
社会人として10年以上が経過している35歳以上の転職は、先述した通り「即戦力」を応募条件として企業が提示してくる事が殆どです。
新卒のようなポテンシャルを求めない代わりに、企業は「これまで他企業で培った経験でどれだけ貢献してくれるのか」を転職希望者に期待しています。
「これまで培った経験」が、「即戦力」に値するものです。
具体的にどのような経験を、企業は「即戦力」として求めているのでしょうか?下記が企業が転職希望者に求めている具体的な能力です。
(1)専門業務を速やかに行える技術力と知識力
企業は35歳以上の転職希望者に対して、募集の段階から採用後直ぐに専門的な業務を任せようと考えています。
企業が任せたい専門的な業務を速やかに行える、高い技術力と知識力を備えて置く事が必要です。
(2)素早く場に馴染める柔軟性
中途採用の場合は新卒と異なり、直ぐに業務を行う為に研修期間は殆ど設けられません。
引継ぎ期間も短い場合が非常に多い為、企業の仕事のやり方や職場に素早く馴染める柔軟性も必要不可欠です。
(3)組織として成果を上げるマネジメント能力
35歳以上の人材は、1つの企業で長く働いている場合は大抵の人が中間管理職として業務を行っています。
若手に対して個人で成果を上げる事が望まれる一方で、35歳以上の転職希望者に対して、企業は中間管理職が持つマネジメント力も求めます。
マネジメント力がある人材とは、チームをまとめるリーダーとして部下を指揮しながら上司との連携を的確に行う事で、組織として成果を上げられる人です。
ただし前職で役職に就いた事が無い人も、チームで業務を纏めた経験がある事をアピールすると企業に好印象を与えられます。
35歳以上でも転職に成功する!5つの就活テクニック
35歳以上になると、企業は社会人のベテランとしての実力を転職希望者に求めてきます。
新卒や若手とは確実に異なる条件を提示される為、一見すると内定を勝ち取る事は厳しいと思いがちです。
しかし35歳以上の転職でも、企業が求める特徴を掴んで挑めば内定を勝ち取る事は充分に可能です。
35歳からの転職を成功させる為に行うべき5つのテクニックは、下記の通りです。
- 自分が持つスキルを明確化させてアピールする
- 前職と業務内容が近い企業を狙う
- 年功序列型が無い中小企業を狙う
- 未経験職の場合はスキルのアピールが出来る資格を取る
- 転職の目的とキャリアビジョンを明確化させる
順を追って詳しく説明致します。
(1)自分が持つスキルを明確化させてアピールする
社会人として10年以上経過している35歳以上の人の転職は、新卒や若手と違い企業から「即戦力」を求められます。
即戦力とは、先述した「専門業務を速やかに行える高い技術力・知識力」の事です。
大学を卒業してから前職を退職する(もしくは在籍中の現企業)までに培ってきたスキルを明確化させておきましょう。
スキルの洗い出しを行う際には、大学を卒業してから前職までに就業した企業と業務について、キャリアシートに書き出します。
キャリアシートを参考にプロファイリングを行い、転職を狙っている企業が求めているスキルを目立たせて履歴書・職務経歴書を作成し、面接でもスキルがある事を口頭でアピールすると良いでしょう。
明確化させておいたスキルを転職したい企業に自分の強みとしてアピールすると、企業は転職希望者が就職後にどのように活躍してくれるのかイメージしやすくなります。
(2)前職と業務内容が近い企業を狙う
35歳以上の方が転職する場合、過去に経験がある業務を取り扱っている企業を狙うと内定を獲得しやすいです。
理由としては、先述した通り企業は転職希望者に「即戦力」を求めてくるからです。
前職と業務内容が似ていると、企業側も求めている「即戦力」を転職希望者が発揮してくれる確立が高いと認知しやすいです。
逆に35歳以上の方が避けるべき企業は、前職と関係が無い業務を扱っている企業です。
上記の場合は未経験だとみなされます。未経験者は後述する「資格を持っている人」以外は即戦力にならないと判断される為、内定を獲得する事は非常に厳しいでしょう。
(3)年功序列型が無い中小企業を狙う
35歳以上で転職をする際は、大手企業を避けて中小企業を狙うと良いでしょう。
理由としては、中小企業は大手企業と異なり「年功序列型」が無く実力主義の傾向があるからです。
実力主義の傾向がある企業は、年齢に拘らずに何歳であろうとも有力な人材なら積極的に採用します。
逆に年功序列型の企業の場合は、年齢を見て採用する人材を選ぶ傾向が強いです。
企業側が「35歳のボーダー」に当てはめてくる事が多い為、非常に高いスキルや実力が無い限りは募集に応募しても、書類選考の段階で年齢を理由に落とされる可能性が高いです。
(4)未経験職の場合はスキルのアピールが出来る資格を取る
即戦力を求められる35歳以上の方は、未経験職よりも経験職で転職を狙う方が内定を取りやすいです。
しかし前職での業務が心身的に負担を掛けたという理由で退職された方は、負担が少ない新たな職種での転職を希望されているでしょう。
未経験職で転職をする際は、希望する職種で使える資格を取得してから転職活動をしましょう。
業務経験が無くても資格を持っていれば「即戦力」のスキルとしてアピールする事が可能です。
(5)転職の目的とキャリアビジョンを明確化させる
「何故転職をしたいのか」と「その企業に就職する事で将来どのような自分になりたいのか」を明確にしてから転職活動を行いましょう。
新卒や若年層のように「なんとなく」という理由で転職をする事は、家庭や自分の将来の在り方を具体的に考えなければいけない年齢である35歳以上の場合は非常に危険です。
その企業に就職する事で企業側にどのようなメリットがあるのかをアピールする事と共に、自分がその企業で将来どのような姿になっていたいのかを明確に伝えるようにしましょう。
ミドル層である35歳以上の場合、転職してから定年までの時間が短いです。
企業側と転職希望者が双方共に納得した上で就業する事が、転職後に企業で勤める際にとても重要です。
プロの人材紹介会社を活用するのもアリ!
35歳以上の方の転職は、新卒の就職と条件や攻略の仕方が大きく異なります。
新卒以上に慎重な準備と対策が必要不可欠である為、プロの人材紹介会社を活用する事もおススメです。
人材紹介会社では、各業界に精通した人材紹介会社のアドバイザーがスキルの洗い出しから応募書類の添削・面接対策までをサポートしてくれます。
一人で転職活動するよりも早く内定を獲得しやすくなる為、転職活動を確実に成功させたい方は人材紹介会社の利用も視野に入れて見るのも良いでしょう。
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