自分らしさとは?新卒で自分にあった職場を見つけるための自己分析、企業探しについてお話しします。
プライベートの時間を大事にしたい!
働きまくって年収もあげて昇進・キャリアップしたい!
将来どうなりたいか考えると思います。
しかし、どうやって考えたらいいかわからない方に向けて方法をお伝えします。
学生生活を終え、社会人になってから学校での学びと社会とのギャップに驚いたり、戸惑う人も少なくありません。
最近話題になったTikTokerのブリエルさんは「9時から17時まで働いて自分の時間が持てない」と動画内で話していました。
これには賛否あるでしょうが、170万以上の「いいね」をつけられるほど共感や注目を呼んだ動画でした。
日本では社畜という言葉が出来た背景にあるように、自分の意向とは反して働きすぎなのではないでしょうか。
自分らしく働くためには、自分らしさとは何かを知る必要があります。
Well-Beingを重視した職場選び
まず初めに、ウェルビーイング(Well-Being)とは、Well(良い)とBeing(状態)が組み合わさった言葉で、心身ともに満たされた状態をあらわす概念です。
ウェルビーイングを高める為には、自己のニーズやバランス、ライフスタイルを理解し、それに基づいて行動することが大切です。
身体的、精神的、肉体的にも良い状態が維持されるよう、多角的な視点からウェルビーイングを意識して整えることが重要です。
WHO憲章では「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しない事ではない」と定義しています。
また、SDGsの目標3には「すべての人に健康と福祉を」とあり、現代社会に必要不可欠となってきています。
そして、昨今のビジネスシーンにおいて、社員の組織環境を整え、働く意欲やエンゲージメントを高めることで、生産性の向上だけではなく、離職防止が期待でき、人材確保のために企業も重視すべき概念となっています。
ウェルビーイングの5つの要素(PERMAモデル)
PERMAモデルは、米国のマーティン・セリングマンらによって、以下の5つの要素を高めることで、一般的な幸福から持続的な幸せを高めることが出来ると提唱しました。
PREMAの略は下記の通りです。
P(Positive emotion)
P(Positive emotion)ポジティブ感情:うれしい、面白い、楽しい、感動、感激、感謝、希望などがあります。
≪ポジティブ感情を高める為の行動≫
ネガティブ感情を打ち消し、対処力や回復力を高める。
好きな人、気の合う人と一緒に過ごす。
楽しめる趣味や創造的な活動をする。
感謝していることや、人生でうまくいっていることを振り返る。
E(Engagement)
E(Engagement)物事への積極的な関わり:時間を忘れて何かに関わる。
≪ポジティブ感情を高める為の行動≫
没頭して集中できることや、夢中になれる物事を探す。
自分が本当に好きで、時間を忘れてしまうような活動に参加する。
自分の強みを活用して学び、得意なことをする。
R(Relationship)
R(Relationship)他者との良い関係:援助を受ける・与える。
≪ポジティブ感情を高める為の行動≫
パートナー、家族、友人、仲間といった他社とのつながりを持つ。
他者と比較しない。
他者に貢献する。
興味のあるグループに参加する。
M(Meaning)
M(Meaning)人生の意味や意義の自覚:自分は何のために生きているか、自分ともっと大きなものとの関係を意識する。
≪ポジティブ感情を高める為の行動≫
何に価値を見出すか、何が大切か、何を優先するのかなどを考える。
新しい創造的な活動に挑戦して自分と関連のあるものを見つけること。
自分の情熱をほかの人のために使えるよう考えること。
大切な人と充実した時間を過ごすこと。
A(Accomplishment)
A(Accomplishment)達成:何かを達成する。
≪ポジティブ感情を高める為の行動≫
資格を取得する。
会社で昇進する。
目標を達成する。
高収入は幸せか?
一般的にお金持ちになりたい、もっと稼ぎたいと考えがちですが、年収が高いと幸せになれるかといえばそうでもありません。
幸福度と年収を比較した先行研究は数多くあり、そのほとんどは、ある一定の金額を超えると幸福度は横ばいになるというものでした。
また、令和4年10月に内閣府が調査した『国民生活に関する世論調査』によると
「どのような仕事が理想的だと思うか」の質問に対して
「収入が安定している仕事」が最も高く62.8%、
「私生活とバランスが取れる仕事」が53.7%、
「自分にとって楽しい仕事」が51.9%となっております。
収入が高い仕事は満足感には繋がるかもしれませんが、幸福感にはあまり関与せず、現代社会では最重要項目ではないのではないでしょうか?
自己分析:どんなことに満足するのか
自己分析を行うためには、いくつかのツールや方法があります。
以下の手法を組み合わせることで自己分析を効果的に行うことできます。自分に合った方法を選んで、自己理解を深めていきましょう。
①SWOT分析
自己やプロジェクト、企業などの内部・外部状況を把握する方法として用いられています。以下の4つの要素で要因分析することで、改善点や伸ばすべきポイント、将来的なリスクなどを見つけることが出来るフレームワークです。
ステップ1(Strength)「自分の強み・長所」を箇条書きで書き出す。
【例:〇〇の資格を持っている、〇〇を行った経験がある、リーダーシップが得意・・・など】
ステップ2(Weakness)「自分の弱み・短所」を箇条書きで書き出す。
【例:資格をもっていない、早起きが苦手、コミュ障…など】
ステップ3(Opportunity):就活市場における自分へのメリットを箇条書きで書き出す。
【例:資格が取れる、自分の生活スタイルに合ったシフト…など】
ステップ4(Threat):就活市場における自分へのデメリットを箇条書きで書き出す。
【例:残業が多い、給料が不安定、…など】
ステップ5(分析):箇条書きにした要因を組み合わせて相互の関係性を分析します。
②ポートフォリオ
日本語に直訳すると「紙ばさみ」「書類入れ」という意味です。これまでの実績をアピールするための自己紹介資料として使っているクリエーターも増えてきました。自己PRにつながる強みを中心として、業種や求人の内容に合わせて挟むものを検討しましょう。
- 自己紹介
名前、生年月日、経歴、スキルや資格、強みと自己PR、趣味や特技、連絡先やSNS…など - 作品紹介
研究、動画、論文…など - 将来やりたい仕事や方向性
今後どのような仕事に携わっていきたいかや、将来ビジョンを記載します。
③キャリアカウンセラーの利用
キャリアカウンセリングは客観的な視点や指導を得ることが出来、自己分析やキャリアの方向性を見極める為に役立ちます。自分に合った専門家を選んで相談してみましょう。
キャリア目標を決める:自分の理想像とは
自己分析の次は、これからやりたいことや目標を考えていきます。
目標を設定する際は、自分自身の志向や価値観に合ったものであることと達成可能なものであることを意識して設定しましょう。
①長期的なビジョンの設定
将来像や理想の姿を想像してみましょう。どのような役割や業界に身を置きたいのか、自分の人生やキャリアにおける大きな目標は何かを考えます。
②具体的な目標の設定
容器目標をもとに、数年後、数か月後も見通した目標を具体化します。
③目標のリアリティーチェック
目標が現実的かどうか、達成可能な範囲ないかを見極めましょう。
自分の能力や資源、時間的制限などと見合わせて調整することが重要です。
④途中経過のモニタリングと修正
目標を設定した後は、定期的に進捗状況を確認し、修正や調整が必要な場合は柔軟に修正をしていきます。
企業研究:自分にあった企業探し
新しいキャリアの選択をする際に重要なステップです。
自分が求める働き方や環境に合致するかどうかを見極める為に重要です。
情報収集を丁寧に行い、自分にとって最適な企業を見つけることが大切です。
①基本情報の収集
ウェブサイト、年次報告書などから基本情報(業界、業績、歴史、理念、製品、サービス等)を収集します。
②文化の理解
社員の声やインタビュー、企業のブログやSNSなどから企業の文化や価値観を理解します。
自分の価値観や目標に合うかを判断できます。
③業界動向の把握
業界全体の動向やトレンド、競合他社との比較を行います。
業界の将来性や企業のポジショニングを理解することが重要です。
④インターシップやイベント参加
企業のインターンシッププログラムに参加するか、イベントやセミナーに参加することで企業の雰囲気や文化を肌で感じることが出来ます。
ウェルビーイング高めるための職場の見極め
①労働環境
労働環境とは従業員を取り巻く環境のことです。
労働環境が良いと従業員が能力を発揮できて健康的に働くことが出来、モチベーションの向上につながります。
例えば…
労働時間と休息時間が区別できるよう工夫されている。
オフィスのレイアウトが工夫されている。
ワンフロアだけでなく、複数のフロアスタッフとコミュニケーションが取れるよう工夫されている。
②福利厚生
福利厚生とは企業が従業員に対して、通常の賃金や給与にプラスして支給するお金ではないサービスのことです。ワークライフバランスが取れるもの、健康管理が出来るもの、普段の生活サポートを得るものなど、自分に合ったサービスが何かを考えましょう。
例えば…
家賃補助・住宅手当
有給・特別休暇・リフレッシュ休暇など休養が十分にとれる。
社員食堂・食事補助
出産や育児を経験した後でも安心して働けるよう工夫されている。
人間ドック
③健康やメンタルヘルスへの対策
メンタルヘルスとは、精神面における健康のことです。
実はメンタルヘルスの不調が多い会社や部署では下記の特徴があります。
- 本人以外の交代要員が居ないため休めない
- 納期やノルマに追われる
- 正社員以外の派遣や契約社員の割合が多い
メンタルヘルス対策には、一次予防(未然防止)、二次予防(早期発見と早期対処)、三次予防(職場復帰支援)があります。
例えば…
メンタルヘルスに関する教育がなされている。
ストレスチェックが定期的にある。
産業保健スタッフとの繋がりがある。
④コミュニケーション
日常的に行われている会話や情報交換、情報共有は、社員が多くなればなるほど業務の役割分担が決まっていて、業務外の仕事に関しては把握できていないこともあります。
しかし、多くの場合、一人で完結するものではなく、複数の人が協力して行うものです。
仕事でのコミュニケーションの基本は、報告・連絡・相談です。
この3つが十分できるよう、オンライン・オフラインでのコミュニケーションがいかに活性化されているかがポイントになります。
例えば…
・フリーアドレス:オフィス内で固定席を持たずに、ノートパソコンなどを活用して自分の好きな席で働くワークスタイルのことです。いつでもどこでも他部署の人と関わることが出来、横に繋がりやすくなります。
・1on1ミーティング:上司と部下がマンツーマンで話し合う機会のことで、一週間に一回や週1回など短いサイクルで定期的に行われます。上司と話すのは苦手と、抵抗を持たれる人もいるかもしれませんが、そもそも威圧してくる上司では何も生み出すことはできません。自分の能力を引き出してくれる上司とである事も重要ですね。
・ OJT(On The Job Training):先輩社員が後輩社員に対して業務に必要な知識やスキルを実践しながら伝承するというやり方です。OJTをすることで、人が人を育てる風土が会社に定着し、会社の知識やスキルを身に着けることが出来ます。
・サークル活動:仕事とは関係なく、会社内の有志が集まって定期的にスポーツやレクリエーションを行う為の活動です。中には、補助金を支給して活動を推奨する企業もあります。
終わりに
人によって置かれている立場が違い、自分らしい人生には様々な形があります。
仕事を頑張って収入や地位が得られたとしても、趣味や家族との時間など、自分らしい過ごし方が出来なければ、幸せと言えるのでしょうか。
会社の言いなりになってひたすら働き、会社に飼いならされている社畜の時代は終わりです。
ウェルビーイングを意識した職場探しでは、働くことを通して自分自身が幸せや満足感が得られる場所を探すことが重要です。
PERMAモデルを意識し、自分の価値観、何があれば幸せに近づけるのかを考えることで自分に合った仕事に出会うお手伝いが出来ましたら幸いです。
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