転職する際に悩むことは「いつ辞めるか」ということです。
社会人になってから間もない20代の若手社員の人は、収入アップや職場環境の改善などを理由に転職を検討している人も多いはずです。
しかし、焦ってむやみやたらに転職活動をしてしまうのは禁物。
転職するにしても、今後の業界の市場価値や、知っておくべき知識を備えた上で転職に臨んだ方がいいでしょう。
そこで今回は、特に20代の若手社員の人向けに、ベストな転職のタイミングや、失敗しないための転職知識をご紹介します。
是非最後までお付き合いください。
転職に対する若手社員の意識調査の結果
まず初めに、20代の若手社員の人達は「転職」に対してどのような意識を持っているのでしょうか?
2020年に入社し、勤続年数が4年目を迎えた若手社員男女600人を対象に、「これまで退職や転職を考えたことがあるか」というインターネット調査をしたところ、8割以上が「真剣に考えたことがある」もしくは「なんとなく考えたことがある」と答えました。
この結果から、少なくとも転職を考えている若手社員は多いことがわかります。
退職や転職を検討する要因としては、「年収のダウンや伸び悩み」という回答が一番多い結果となりました。
さらに、現在の勤務先ではキャリアビジョンを実現できないと思う理由としては
「昇進・昇格が厳しい」「会社や業界が将来性に乏しい」という結果が一番多い理由となりました。
引用:マイナビニュース新卒4年目の社員の8割が「退職を考えたことがある」-離職しなかった理由とは?
https://news.mynavi.jp/article/20230915-2771905/
このような調査結果から、若手社員が転職したい理由として共通しているのは、やる気はあるけど会社がそのやる気に見合っていないということではないでしょうか。
若手社員自身はやる気があり、昇進やスキルアップをしたいのに、会社の将来性に不安や疑問を抱き、転職を検討してしまうと考えられます。
おすすめする業界とおすすめしない業界
転職するにあたり、どのような業界に転職をした方が良いのでしょうか?
現在の時代背景から、「おすすめする業界」と「おすすめしない業界」をご紹介します。
特におすすめする業界は「文系」と「理系」ごとに業界をまとめています。
ぜひお役立てください。
文系におすすめの業界3選
①金融業界
金融業界は文系の人にとってスキルアップが見込める業界です。
なぜなら、金融業界は分析力だけでなく、コミュニケーション能力も求められるからです。
金融商品の説明を顧客に対して説明し、時には顧客それぞれに適切なアドバイスが求められます。
言語の表現力や説得力に長けている文系の人にとって、複雑な金融商品をわかりやすく説明する能力は金融業界で大いに役立つでしょう。
②旅行業界
旅行業界でも文系の知識やスキルが大いに活かされるでしょう。
理由としては旅行業界は言葉や表現力が重要だからです。
旅行業界では、顧客に旅の魅力を伝えるために魅力的な文章を書くことが求められます。
具体的にはツアーの企画書作成やWebサイト、SNSで旅の情報を伝えなければいけないときに、文系で培った知識や表現力が活かされてくるでしょう。
③小売業界
小売業界では顧客の購買行動や心理を理解したうえで「どのようにして商品を多く売っていくか」という戦略を練っていく必要があります。
文系の人が学生のときに学んできた「人間の心理的な行動」や「洞察力」を活かすことで、現在の流行や「ターゲットである消費者がどういうものを買っている傾向にあるのか」を把握し、効果的な戦略を展開することができるでしょう。
理系におすすめの業界3選
①IT業界
IT業界では新たな技術やサービスが次々と生まれており、進化し続けています。
特に近年では、人工知能(AI)やクラウドコンピューティングなどが注目を浴びており、国自体がこれらの分野の需要を推進しています。
そのため、将来的にも安定した業界だと言えるでしょう。
②コンサルティング業
コンサルティング業は、企業や個人の顧客に対してDXやAIの導入など、デジタル技術を活用して提案します。
DXとは簡単にいうと「進化したデジタル技術で社会をよりいいものにしよう」ということです。
身近なものだと「UberEats」や「シェアサイクル」といったものもDXのサービスです。
これらのサービスは「進化したデジタル技術で社会をよりいいものにしよう」という考えから生まれました。
理系の知識とスキルを活かし顧客の課題解決に導くので、やりがいのある仕事といえます。
③医療業界
医療業界では新たな医療機器や治療法が常に開発されています。
特に「遺伝子治療」や「再生医療」といった最先端の技術を応用した研究や開発が進んでいます。
医療に関係する複雑な問題を解決するために、理系で培ってきた知識や思考力が大いに活かせることでしょう。
おすすめしない業界5選
①出版・印刷業界
デジタル化が進み、これからペーパーレス化はどんどん進んでいくことでしょう。
電子書籍が普及し、紙の本の需要が低下し、衰退傾向にあるといわれています。
②テレビ業界
動画配信サービスの普及が増え、テレビ番組やドラマといったメディアはテレビでなくても見ることができる時代です。
それによりテレビ離れは加速していくと見込まれています。
③製造業界
AIやロボットを取り入れた自動化が進むことにより、製造において人の手が必要となくなるものが増えていきます。
それにより、人員が削減される見込みの業界です。
④ブライダル業界
日本の人口の減少により、結婚式の数が減っています。
結婚式をやったとしても、予算の都合などで大人数を集めた結婚式を行わず、親族のみや少人数で行う結婚式も増えています。
そのため、結婚式1回の単価が低く、ブライダル業界全体の売り上げが低下していくと見込まれます。
⑤アパレル業界
今はECサイトの普及により、服は直接お店に行かなくても買える時代です。
ECサイトで服を購入する需要が高まり、経営的に厳しいリアル店舗のアパレルショップが多くなっています。
さらに、消費者のブランド意識は昔より低くなっており、コスパと完成度が高いお店に行く傾向が増えています。そのため、リアル店舗のアパレルショップはユニクロやGUといったお店に消費者が集中しているというのが実情です。
転職すべきタイミング
若手社員が転職するタイミングとしてはどのようなときなのでしょうか?
実際に、若手のうちに転職をした人の経験を参考に転職すべきタイミングをまとめました。
①やりがいのある仕事をしたいと思ったとき
やりがいを求めて転職を決意する人は多くいます。
日々の業務にやりがいを感じないのであれば、自分の存在意義について深く考えるようになり、精神的にも大きなストレスを感じてしまうこともあります。
現在の職場でやりがいを感じないのであれば、転職を検討してもいいかもしれません。
②自分のスキルを高めたいと思ったとき
自分のスキルをより高めたいと思ったときに転職を決意する人も多いようです。
一つの職場だけでスキルを高めるには限界があります。
異動ができて、スキルアップができる職場であれば転職しなくてもいいかもしれませんが、異動ができても自分が望むスキルが得られない場合もあります。
今の職場で自分が得たいと思っているスキルを本当に習得できるのかをしっかり考えてみることも重要です。
③職場やプライベートの環境が変わったとき
職場やプライベートの環境が変化したのをきっかけに転職をする人もいます。
職場の環境の変化としては、「会社の方針の変化」や「労働条件の変化」などがあります。具体的には「経営が悪化して給料が減らされる」「他社と合併し待遇が悪くなる」などが挙げられます。
プライベートの変化としては「結婚」や「出産」が挙げられます。こうした変化に伴い、なるべく残業や不規則な業務形態の会社を避けて転職を決意する人も多いようです。
今すぐ転職しないほうがいいタイミング
今すぐに転職しないほうがいいタイミングもあります。
以下のようなケースであれば、焦らずに落ち着いて考えてから行動を起こした方がいいかもしれません。
①入社してから1年未満
入社して1年未満の転職はなるだけ避けた方がいいでしょう。
1年未満という短い期間で退職してしまうと、転職希望先の採用担当に「うちに来ても短い期間でやめてしまうかもしれない」という悪い印象を与えてしまう可能性が高いです。
そうなると選考の際に不利になる場合があります。
ただし、異常な残業時間や日常的にパワハラが横行しているような職場も中にはあるかもしれません。
そういった場合はまず上司や同僚に相談してみましょう。
それでも改善されないようであれば、自分の身のために転職を考えた方がいいでしょう。
②転職の目的が定まっていないとき
転職の目的が定まっていないのに転職に踏み切ってしまうのはやめた方がいいでしょう。
なぜなら、目的が定まっていないのに内定が出ても、次の職場でもモヤモヤしながら仕事をしてしまう可能性が高いからです。
今の職場の状況が辛いと感じているから「とにかく辞めたい」という一心で転職する場合は成功する可能性が低いです。転職の目的の軸がしっかり定まっていないのであれば、すぐに転職を決めない方が良いでしょう。
③自分の市場価値を把握できていない
自分の市場価値を把握できていないうちに転職を始めるのは時期尚早です。
自分が持っている知識やスキルがどんな場所で役に立つのかを考えた方がいいでしょう。
市場価値を把握せずに転職をしてしまうと、本来の実力や能力を発揮できない環境に身を置いてしまう可能性もあります。
ミスマッチな職場を回避するためには事前に入念な自己分析を行い、自身の市場価値を知ることが大切です。
有利な転職時期はあるのか?
転職をする時期に有利な時期というものはあるのでしょうか?
結論からいうと明確に有利と言えるタイミングはありません。
しかし、転職を検討した方がいいタイミングはあります。
一般的に、以下のような時期が転職を検討した方がいいタイミングといわれています。
①2〜3月、8〜9月
2〜3月と8〜9月は企業側の求人数が増えるので、転職を検討するタイミングとしていい時期といえるでしょう。多くの会社は4月か10月で半期の切り替えを行う時期であり、それに伴い社内の人事異動も発生します。
そのため、こういう時期には人員の補填や増員募集が行われるので、求人数が増えて転職先が見つけやすい傾向にあります。
②6〜7月、12〜1月
6〜7月と12〜1月も転職を行うには良いタイミングといえます。
なぜなら、この時期には夏のボーナスと冬のボーナスがあるからです。
「なるべく損をしないで転職したい」という人は、ボーナスをもらった後に転職することをおすすめします。
③第二新卒は4月入社を狙ってみることもおすすめ
社会人経験が3年以内の第二新卒の人は4月入社を狙うのもいいかもしれません。
なぜなら、新卒と一緒に入社することで、新卒社員と同じ内容の研修を受けられる可能性があり、基礎的な社会人としてのマナーや知識を学ぶことができるからです。
第二新卒は社会人経験が短いため、研修をしっかり受けることができるのはメリットになるはずです。
20代におすすめしたい人材紹介会社5選
転職するにあたり、自分の魅力を最大限にアピールできるか不安になる人は多いのではないでしょうか?
そんな悩みを抱えている人のために、20代におすすめの人材紹介会社をご紹介します。
①リクルートエージェント
リクルートエージェントは「求人数」と「転職成約実績」の2つにおいてNo.1を誇っています。企業への提案力も高く、50万人以上の転職希望者を成功へと導いた実績もあります。
◆こんな人におすすめ!
- 数多くの求人数と実績豊富な転職サービスを利用したい人
- 品質の高い転職サポートを受けたい人
②マイナビエージェント
マイナビエージェントは幅広い業種と職種の求人を取り扱っています。
主に20〜30代前半の若手人材を中心に転職支援を行っているため、転職が初めてという若手の転職者におすすめです。
◆こんな人におすすめ!
- 自分に合った求人を提案してほしい人
- 書類作成や面接対策のサポートもしっかり受けたい人
③マイナビジョブ20’s
マイナビジョブ20’sは、20代の若手社会人を対象とした公開求人を行っています。
そのため、「未経験OK」の求人が多いのが特徴です。
「社会人としての経験が短い」、「アピールできそうな実績がない」という人でも、多くの求人を紹介してもらえる可能性が高いです。
◆こんな人におすすめ!
- アピールできる実績が少ない人
- 未経験から実績を積みたい人
④doda
dodaは積極的に求人紹介をするアドバイザーが多いです。
そのため、スピーディに自分に合う求人が見つかりやすい特徴があります。
◆こんな人におすすめ!
- 短期間で転職先を決めたい人
- 積極的に求人紹介してほしい人
⑤type転職エージェント
typeはIT系業界の求人が多く、ITエンジニアやモノづくりの転職に強いのが特徴です。
また、「type女性の転職エージェント」という女性に特化した転職サービスもあります。
◆こんな人におすすめ!
- ITの分野でキャリアアップしたい人
- 女性ならではの転職相談をしたい人
まとめ
20代の若手社員にとって転職は人生において大事な選択肢となります。
ただやみくもに転職をするのではなく、成長していく業界や衰退していきそうな業界を調べたり、転職をするタイミングも考えた方がいいでしょう。
生涯労働時間は平均して人生の3割といわれています。
働く時間が自分の人生においてこれだけ多くを占めるのであれば、20代のうちに「どんな仕事が自分には向いていて、自分の人生をより豊かにしてくれるのか?」ということを考える時間を作ってもいいかもしれません。
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